lost child



一樹との別れ際。
実は寄る場所なんてなかったなんて一樹に言えないね。


かぁかぁと烏の鳴き声。
帰り道は遠回りで。

ふと近くの公園。まだ小学校低学年だろうと思う子供が五人で遊んでいる。

「もう七時になるよ。そろそろ帰らないとお母さんに怒られない?」

綾子は優しく子供たちに声をかけた。
夏だからきっと時間がくるうんだ。

「ありがとうお姉ちゃん!あたしそろそろ帰るね」
一人、女の子がこっちに手をふって公園からでる。
あとに続いて三人、次々と帰っていった。

「君は?」
綾子はきょとん顔で一人のこっていた男の子にきく。

「子供でいられる時間は、楽しく使いたいのに」

男の子は小さくつぶやく。


「へ?」


「なんでもない」

不思議な子だ、と綾子は思った。



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