lost child
みんなと別れて、シンは細々とした住宅地の道を通っていた。
「何か、知りたい?」
ふと、どこかから声が聞こえる
「ふ、ぇ?」
シンはつい間抜けな声を発してしまった。
「呼ばれて飛び出てぱんぷりりん。
シェルア、でっす」
声と共に、路地のほうから男の子がでてきた。
「誰?」
多分、同い年くらいだけど。
「シェルアって言ったじゃないか」
「まぁ、そうだけど…何か用?」
「君、忘れた記憶が欲しいんだろ?」
「…へ?やっぱ僕何か忘れてたの?」
ついその少年に、真剣な顔で聞いてしまった。
「忘れてるよ。忘れてる事も忘れかけてた」
「う、うん……?」
「で、思い出したい?」
「そりゃあ、気になるもん。
ていうか君ほんとに何?誰?何人?」
「僕の事は気にしないでいいから。」
そういうと、シェルアはため息をついた。
「君にはね、忘れてる人がいるんだ」
「誰?」
「名前は言えないよ。
その人…まぁ、その子はね、自分を消したんだよ」
「なんで?」
「自分はいらないから、消したんだ。
だから、君だけじゃない、皆その子を忘れてる。
その子はもう此処にはいなくて……
ていうか、居たという事実をもみ消したんだ」
「う、うん……?よくわかんないけど。
どうやったら思い出せるの?」
「君が、その子を忘れてる事を忘れなかったら」
「は?」
「僕が今言ったその子の事を忘れずに
大人になれたら」
「うん…?」
シンは眉間にしわをよせる。
「では、僕の仕事は此処まで!」
少年は指をパチン、と鳴らした。
「へっ?」
「又 会いにくるよ」
シェルアは最後に少しだけ笑うと、どこかに姿を消した。
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