lost child


おっかしいな。
広志がなんでいるんだ?
あいつは確か俺が24の時に交通事故で……。

幽霊?いや、それでもなんでこんなにガキなんだ。
広志は俺と同級だ。俺が24の時に死んだんなら、 広志は享年24……。
いや、 俺は何を簡単な事を考え込んでいるんだ。




「一樹、一樹……おきてよっ!! 」

綾子の声がきこえた。

「ん? ……あれ、戻ってる」
一樹はベッドの目の前の鏡に、27歳の自分がうつっている事を確認した。

「なぁに言ってるのよ。夢でも見てた?
 それより早く起きなさい。遅刻するわよ。
 ったく、居候のくせに寝坊ばっかして! 」
綾子は愚痴を言い終わると、部屋からでて台所へ戻った。


「夢……ああ」
一樹はあれが夢だったと認識し、少しホッとした。

懐かしいなぁ……広志。
一樹はふと広志の事を思い出す。

大親友で、高校までは一緒だったけど、広志の方が家の事情で中退しちゃったんだ。
あの時、校長が退学させたんがと思って校長室に殴り込みにいきかけたけど、
自分からの申し出だってわかって……。
いやいや、こんなボーッとしてたらまた綾子に怒られる。

なんてったって俺は警察官なんだから、シャキッとしないと。

一樹は自分に言い聞かせると、 顔を洗いに洗面台に行った。


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