lost child


「あれ、今日休み? 」

カレンダーを見た綾子が、朝食をとっている一樹に聞いた。

「休み? ……そうだっけ」
一樹は首をかしげた。
「だって、ほら……カレンダーにかいてあるわよ?」
綾子は今日の日付を指さす。


「ほんとだ」

自分の字で、間違いなくそう記されていた。
「一応電話できいとこうか? 覚えがないなんて変ね……」
と、綾子が受話器をとった。
「ああ……ありがと」
一樹は少しぽかんとした。

まぁいいや。


それが一樹の口癖である。



綾子が電話で聞き、今日が休みだとわかった。
自分から休みをとっていたらしい……変だな。
なんでだろう、覚えてないのに。




「あら、何してるの? 」

綾子が一樹の部屋をのぞき、キョトンとした顔で聞いた。

「ああ……ちょっと懐かしい夢をみたから、
 たまには昔の思い出もんでも整理してみるかって」
一樹は、大きなダンボール箱を押入れからだし、部屋をちらかしていたのだ。

「へぇ。あ、高橋くんとか奈津美ちゃん、なつかしいわぁ。
 高2の文化祭の時はあれ! 豪華だったわよねぇ。あ、高2だっけ?」
部屋に入りこんで、ダンボールからアルバムをとりだす綾子。

「違うよ。今は小学生のころのが見たい気分なんだ」

一樹が綾子の手からアルバムをとったので、綾子が一瞬戸惑った。
「そうなの? そういえば小学生の頃の一樹って見た事ないわぁ」
綾子が少し目を輝かせるので、今度は一樹が戸惑った。


次へ