lost child
11月4日生まれ♀ O型。
ああ、おれと相性がいい。
趣味はとりあえず遊ぶ事。
元気な女の子はいいよね。
家族構成は両親健在、兄と弟にはさまれる五人家族。
山田咲……ああ、このクラス男子全員からかきあつめたこのデータ。今も覚えてる。
でも、俺は変態……ではない。
純愛だ。小学生の恋っ!
一樹は広志の居残りを待ちながら、廊下で一人悶えていた。
心はもう27歳。しかも綾子という彼女がいる。
でもこの時代、この姿の俺に戻るとやっぱり気持ちも戻ってしまう…。
とても…変な気分だ。自分なのに自分じゃないような。
まぁそんな難しい事はおいておこう。
とりあえず、山田咲に二度惚れしてしまった。
「なにしてんの?」
ひょい、と俺の顔を覗く山田咲の顔に一樹は奇声をあげた。
「ちょ、男の子のくせに甲高い声だすわね……耳痛いわ」
咲は自分の耳をおさえる。
「ご、ごめん。いや、広志……待ってて」
カチカチに固まりながら一樹は答える。
「ああ、そっか。あいつ居残りだもんねー。
一樹も大変大変。あ、どーせ私教室行くから様子見るよ」
「ええっあ、ああ、いや……あの、その」
一樹はあたふたして咲の顔から眼を放した。
「何?」
「俺も……ついてくよ」
「おわばぁっ!」
ガラリ、と教室のドアをあけた途端広志が大声をだした。
「わ、ちょ……何?」
咲がびっくりして一歩ひく。
後ろに居た一樹は咲の背中におされてひっくりかえった。
「なななな、何来てんだよ山田!」
広志がランドセルを抱えてドアへと小走りで向かう。
「え、私はただ……」
咲と広志が固まる。広志は一樹には気づいていないようだった。
「ま、まぁいいわよ。ほら、一樹が待ってるって……」
咲は一樹を指さした。
「ああ、あ、そっか。一樹、ごめん! 今帰る準備してたから」
広志が咲を押しのけて廊下へでる。
出たとたんに一樹の腕をひっぱって走り出す
「何!?」
一樹がびっくりした顔で聞くが、広志は何も答えない。
でもわかる。
広志のほっぺたが真っ赤にそまっていた。
思いだした…。
広志も山田の事が…。
一樹は思い出してからすぐにげんなりした。
広志、そっか。中学に入る前に山田と付き合い初めて…。
はぁ。
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