lost child
refuse
単純な事がキッカケで嫌になった。
笹野 綾子(18)
わりと成績の良い、明るい女の子。だと思われたい。
「すまんが、体育は多田野先生が病院に行っているため中止だ。
もっかい着替えて教室で自習」
ヅラっぽい雰囲気をかもしだす、あだ名「ヅラ」 3−A、うちの担任。
一斉に女子も男子も、校歌を歌う時以上にけだるい声で文句をたらす。
「うるさいっ。いいから早くするんだ……お前たちも来年からは立派な大人なんだからな」
はいはい、と4階にある教室まで皆がだるだると歩き始める。
私は少し硬直してしまった。
いつもなら気にしない先公の戯言。
大人 か。
いやだなぁ。
「どうしたの? 綾子」「笹野が固まってる! 気をつけの姿勢! ぎゃは」
友達の声も、男子の声もが遠く感じる。
そうか。こんな声ともお別れだ。
きっと皆ヒゲをはやして、ひっくい声のオッサンに。
きっと皆ひょう柄の服をきて、バーゲンセールで戦争。
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