lost child
「いや、それは人生的に仕方ないだろ」
「でたよ。そういう現実見過ぎてるのってあたしいやだ。
一樹、あんたそんなんで人生楽しめてる?」
「楽しんでる。今お前と一緒にすごしてるのも楽しい」
「そういうんじゃなくて……、人生全体的によ!」
「それは死ぬ間際に考えるよ」
「話になんない」
喫茶店はいつも通りクーラーがきいて涼しい。
誰からもの公認彼氏、一樹はいつもどおりのんびりとしている。
こんな性格でも脳味噌はいいのよね、きっといい大学にいくんだわ、と綾子は頭の中で話をそらす。
大人になるのは仕方がないのかなぁ……ないよね。
「送る?」
喫茶店の前においてある自転車の軽鍵を外しながら一樹は聞く。
「いい。ちょっと寄り道して帰るから」
綾子はそういうと、小走りにそこをはなれた。
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