lost child
「もしこれがホントなら、僕らって何でもし放題かな」
シュウがすこし笑って言った。
「なんで?怖くない?」
シンは少し涙目でシュウにしがみつく。
「ばっかー、シンお前それでも男か!」
シュンがぐい、とシンの腕をつかんだ。
「やっ、怖いよっ、出口とかないの!?」
シンが腕をふって、シュンの手をはらおうとする。
「もー、男子うるさいっ。とりあえずシンのゆうとおり出口確保よ」
サナは冷静に歩き始めた。
それは真夜中のデパートでの出来事。
真っ暗なデパート。
地下2階地上4階の大型だが、どの階にも電気がついている気配はなかった。
人の気配も、無い。
「なぁ、ケーキあるぜ!くおうぜ!」 「ねぇ、非常口は?」
シュンが甘味屋の前でたちどまった。
「ばっか。そんなのしてる場合じゃないだろ」 「非常口……」
シュウがシュンの頭に軽くチョップをくらわせる。
「喧嘩とかしないでよぉ?」 「非常口とかないの?」
サキが心配そうな目で2人をみつめた。
「ほっときなよサキ」 「ねぇ……」
先頭を歩いていたサナがサキをぐい、とひっぱった。
「ねぇ、ってばぁ!!!」
シンの声はいつもの数百倍というほどおおきかった。
「何?」
シュウがシンのほうへ振り向いた。
「非常口とか……ないの?」
シンがおそるおそる聞いた。
「ああ、確かに、一階までいくよりそっちのほうがいいね」
サナはポン、と手をたたく。
『でもさ、せっかくだし……』
シュンとサキが、声をあわせてニコリとわらった。
「デパートであそんでみるのも、わるくないね」
シュンが二人の意志を察したようにうなずいた。
「確かに……賛成かも!」
まじめなサナまでも同意。
「え……」
シンは一人おいていかれたような気分だった
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