lost child
「この服かわいい! きてみたい!」
「いーじゃん、着てみろよ。俺もなんか玩具さがそーっ」
「あー、この腕輪つけてみたいなぁ……」
「ええ……ちょっとぉ……」
シンは一人のこされ、近くのベンチにこしかけた。
デパートは真っ暗で、子供五人しかいないとほとんどカラッポだった。
「怖いよ……」
シンはうずくまる。
「おいおい……。シンもあそべばいいのに」
気になったシュウが横にすわった。
どこからもってきたのか、サイダーを一本シンに渡す。
自分は大人びて珈琲なんかを飲んでる。
シュウはいつもどこか違う。
フランス人とのハーフで、目の色が少し青みがかっているし。
小さい頃はパリにいたとか!
それで家はお金持ちなんだ。一度だけお邪魔したことがある。とにかくでかい。
いいよなぁ、と。ある意味シン…いや、みんなの憧れだった。
「でもさ、みつかって、怒られたら……」
「みつかるわけないよ。デパートには僕らしかいないんだ」
「言いきれる?」
「ああ」
シュウはニコリと笑った。
シンはため息をつく。
「僕、ちょっとトイレいってくる」
「あ、なら僕もついてく。怖いんだろ?」
シュウは笑みをたやさず、言った。
「……うん」
シンは小さくうなずいた。
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